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歯医者が教えない 乳歯をぶつけたあとの話

最近、乳歯をぶつけて来院される方が複数いたので、乳歯をぶつけたその後の話について触れておきます。

一般的に歯をぶつけた時に起こる現象は

①歯が抜ける ②歯がぶつけた拍子に移動してしまう ③歯が揺れる ④歯が折れる、欠ける ⑤揺れなどの症状がない

今回は①~③が起こった時の話をします。

①歯が抜けてしまった場合 

抜けた歯を洗わずに、すぐに牛乳(できれば成分無調整のものがよい)につけてかかりつけの歯医者に持って行ってください。

そのまま、戻る可能性があります。

歯を洗わないのは歯根についている歯根膜をはがさないためです。この歯根膜がちゃんと残って生きていれば、抜けた歯が元に戻せる可能性が高くなります。

 

①~③が起こった場合歯医者さんから受ける説明

・歯が茶色く変色する可能性。

・乳歯が歯や抜けたり、永久歯の萌出が遅れたりする。

・乳歯の下にある永久歯の表面がうまく形成されず、弱い歯質(白かったり、茶色)になって出てくる可能性がある。

ここまではどの歯医者さんからも説明を受けると思います。

 

本当はこの後が大事!

一旦、歯が揺れた状態になると、その歯をかばおうとして前歯を使わなくなります。また揺れている歯に上唇があたるのを避けるため、上唇をあげて前歯が見えた状態が続きます。この前歯、上唇を使わなくなる習慣が問題となるのです。

前歯・上唇を使わない習慣

上唇の筋肉(口輪筋)が弱くなる

食べ方

・前歯で咬みちぎることをしなくなり、犬歯のあたりで咬みちぎるようになる。

・唇を閉じずに前歯を出しながらモノをたべるため、食べこぼしクチャクチャ音を立てて食べるようになる。

口もと

口角が下がり唇が分厚くなる。唇がすぐ乾燥して荒れやすい。

・常にお口をポカーンと開けている。

歯並び

出っ歯になりやすくなる。

その他

・お口ポカーンして口が乾くため、口臭がする。歯肉が赤く、出血しやすくなる。

・口が開いて出っ歯になっているため、再度前歯をぶつけやすくなる。

 

保護者の方には、”前歯をぶつけて、揺れがおさまったから安心”ではなく、実は前歯をぶつけたことで様々な弊害を起こす可能性があることを知っておいてほしい。

歯をぶつけて揺れた → 前歯・上唇の機能障害を引き起こす → 通常とは異なる成長・発育をしてしまう可能性がある

実は、歯をぶつけた直後より徐々に起こる機能変化の方が厄介なのです。

(ヒトは今そこにある危機(ぶつけた直後)には敏感になるが、将来起こりうるであろう危機に関しては無頓着になる傾向がある。)

機能変化はいずれ形態変化を起こし、歯並び・骨格が大きく崩れた時に歯医者さんから矯正治療が勧められている。

高額な矯正治療が必要にならないためにも、ぶつけた後も食べ方、発音などについて相談できる先生にかかってください。

大久保歯科医院

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