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乳歯の外傷によるエナメル質形成不全

本日、顎咬合学会のため休診とさせていただきました。
今回、学会の中で小児歯科を中心に講演を聞いてまいりました。
その中で九州歯科大学 小児歯科教室の 牧 憲司教授の講演の中の内容をご紹介させていただきます。

子供のころチョットした不注意や転んだりして前歯をぶつけたりして歯医者さんに診てもらうこと。って結構ありませんか?
たいていはかかりつけの歯医者さんに行って、それほど問題にならないことが多いと思います。

今回、乳歯を外傷でぶつけてしまった場合についてお話しします。
(重度の外傷)歯がすごく揺れたり、根っこで折れてしまった場合は、残念ながら抜かなければならないこともあります。
(隣の歯と接着剤で固定し、揺れがおさまる場合もあります。)
(中度の外傷)受けた衝撃により半年くらい経つと、神経が死んでしまい歯が徐々に茶色くなる。
(軽度の外傷)そのまま経過観察で、揺れなどの症状がなくなる。
といった主に3つのパターンに分かれます。

実はこの軽度の外傷も揺れや症状がなくなったからと言って安心はできないのですcoldsweats02
ぶつけた衝撃で乳歯の下にある永久歯にも影響が出ることがあります。
その一つがエナメル質形成不全症です。
歯の表面にある硬いエナメル質が衝撃によってうまく形成されず、弱い歯質で形成されてしまうものです。
永久歯が生えてきたときに、白っぽかったり、茶色っぽかったりして生えてきます。
今回発表されたエナメル質形成不全症の年齢別データでは
年齢      症例数    発生頻度
0-2歳    39/62    63%
3-4歳    23/43    53%
5-6歳    21/88    24%
7-9歳     5/20     5%

なんと、”低年齢になればなるほど外傷による永久歯のエナメル質形成不全症の発生頻度は多くなるsign01“といったものでした。
(意外と多いというのが実感です。)

お母さん方が「前歯で目立つので、見た目がおかしい。」ということで来院されることがよくあります。
ですが、色よりも”今後虫歯になりやすい。”といったことが問題です。
歯医者さんで高濃度のフッ素塗布を定期的に行い歯質の強化をしてくださいconfident


エナメル質形成不全
(乳歯の虫歯を放置していたため根っこが化膿し、永久歯の形成不全が起こった症例)

大久保歯科医院

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