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口唇癖

学校検診をしていると口唇癖が原因で前歯が出ている子をよく見かけます。

私が見る限りでは、クラスに1人くらいいる感じがします。

イメージしにくいと思うので図を使って説明します。

口唇癖というのは簡単に説明すると“唇を咬む癖”。(図 左上)

下唇を咬む癖が日常化してくると、出っ歯になります。(図 左下)

逆に、上唇を咬む癖があると、反対咬合になってきます。

正しい前歯の位置は正面から見た時、下の前歯を上の前歯が2~3mm覆うように配列されます。つまり、前歯の位置は正しい口唇によって作られています。(図 右上)

この唇を咬む癖はだいたい5歳頃から行われることが多いです。

といのも、子どもの“恥ずかしい”という情動が5歳くらいから生まれるため、その時についつい唇を咬むようになり、それが習慣化してしまうためだと考えられます。

また、もともと出っ歯傾向の子は上唇の力が弱く、普段から口が空いた状態になります。力のバランスの関係から上の前歯が増々前方に傾斜していきます。

(悪循環が起こす下唇癖)

出っ歯

⇓ 前歯の傾斜によって上唇が閉じにくくなる

お口ポカーン

⇓ 上唇の力が弱いため

上の前歯がより前方に傾斜

⇓ 上の前歯と下の前歯の間に下唇が入りやすくなる

下唇に押され、上の前歯はより前に傾斜

下の前歯は内側に入り込み、下の前歯全体のスペースが狭くなり、下の前歯の歯並びがガタガタ(叢生)になる。

前歯の咬み合わせが深くなり、口を閉じると下の前歯が見えなくなる。

つまり、下唇癖は上の前歯を出っ歯にし、下の前歯をガタガタにする

 

(将来的に下唇癖は前歯の寿命を短くする)

・前歯の外傷、事故やケガによって歯がかけたり、抜けたりするリスクが増える。

・口が常に開いているため、口腔乾燥、唾液の自浄作用がなくなり細菌が活発化。前歯の歯周病を重度化させる。また、口腔乾燥による前歯の虫歯リスクが高くなる。

・歯周病で弱って前方に傾いた前歯に、下の前歯が咬みこんでくるので、すきっ歯や前歯の揺れ、ひどいと早い時期に前歯を抜かないといけなくなってしまう。

大久保歯科医院

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